ULA Equipment|複数モデルのバックパックを並べた全体像

ULA Equipment|ULハイカーに選ばれる4つの理由

約25年前(2000年代初頭)、ウルトラライト・バックパッキングのムーブメントが始まった当初から、現在もなおロングトレイルを歩く軽量志向のハイカーたちに選ばれ続けているのが、ULA Equipment(ULA)。

ULA は ULギアメーカーの中でも特に歴史のあるブランドのひとつですが、日本ではその背景や思想が語られる機会は決して多くありません。そのため、名前は聞いたことがあっても、「どんなブランドなのか」「何が評価されているのか」をよく知らないという方も少なくないのではないでしょうか。

UL=軽い、というイメージは確かに正しい一方で、ULA の魅力は “軽さ” という言葉だけでは語れないところにあります。

この記事では、ULA のバックパックに興味を持ったものの、ブランドの考え方や製品の良さをまだ深く知らない方に向けて、ULAオーナーへの取材で分かった内容もふまえながら、なぜ ULA が UL志向のハイカーたちに選ばれ続けているのかを、4つの視点から整理していきます。

ULA のバックパックに限らず、軽量で信頼できるバックパックやトラベルパックを探している方にとっても、役立つ内容ですので、ぜひ最後までご覧ください。

ULA 製品の魅力はスペックだけでは語れない

ULA というブランドの良さが、日本では十分に認知されてこなかった理由は、まさにこの点にあると筆者は考えています。ULA は創業当初から、軽さだけを追い求めるのではなく、快適さ・耐久性・ウルトラライトとしての軽さのバランスを重視したバックパックづくりを続けてきました。

それは、ULA が掲げる「COMFORTABLE, DURABLE & ULTRALIGHT BACKPACKING EQUIPMENT SEWN IN THE USA」という哲学からも読み取ることができます。

過酷なスルーハイクを前提とした環境の中で、実際に使われ、歩かれ、信頼されることを最優先に考えたものづくりです。ULA は安易に新しいモデルを量産するのではなく、トレンドやマーケティングに流されることなく、ハイカーの視点に立ちながら、ひとつの製品を地道に改良し続けてきました。そうした積み重ねが、長年にわたって多くのハイカーからの信頼を得てきた理由でもあります。


ULA Equipment|刺繍ロゴと ULA ROBIC 素材のディテール
ULA のバックパックは、重量や新素材といった分かりやすいスペックだけでは評価しづらく、実際に背負い、トレイルを歩いてみて初めて良さが実感できる製品だと言える。




長距離を歩き続けるための快適な背負い心地

ULA のバックパックを語るうえで、最も大きな特徴のひとつが、多くのハイカーから「ロングハイク向けの、重さが消えるような背負い心地」とも評される、長時間背負い続けても負担の少ない快適さです。

これは、独自の荷重分散システムに加え、多くの体型に配慮した高いフィッティング性能によるもの。単に軽さを追求するのではなく、いかにトレイルを快適に歩き続けられるかという視点で設計されている点に、ULA らしい思想が表れています。

荷重分散システム

ULA のバックパックが高い快適さを実現している理由のひとつが、この荷重分散システムです。

バックパックは肩で背負う構造上、荷重はまず肩にかかりますが、その負担を分散し、さらに歩行時の荷物の揺れを抑える役割を果たすのが、ヒップベルトとフレーム構造です。

一般的な ULバックパックの場合、フレーム構造は備えていても、ヒップベルトは簡易的なものが多く、荷重を分散するというよりは、荷の揺れを軽減する意味合いが強い傾向があります。

その点、ULA のバックパックは快適さを重視しており、ヒップベルトとフレーム構造によって荷重を分散させることを前提に設計されています。これにより肩への負担が軽減され、長時間の歩行でも安定した背負い心地を維持します。

フレームレスパックの場合は文字通りフレーム構造はありませんが、ULA ではしっかりとしたヒップベルトが標準装備されており、肩にかかる荷重を腰に分散してくれます。



ULA Equipment|ヒップベルトのポケットのディテール
しっかりと腰に荷重をかけるヒップベルトは当然重量が増すが、軽さよりも「快適さ」を重視する、ULAらしい特徴だ。



さらに特徴的なのが、ショルダーストラップの固定方法です。一般的なバックパックでは、ショルダーストラップ下部のアジャスター部分はパックの背面側に縫い付けられていることが多いのに対し、ULA のパックではパック下部・前面側に固定されています。

この構造により荷重が体側へ引き寄せられ、バックパックが背中に吸い付くような背負い心地が生まれると同時に、歩行時の揺れを抑え、全体の安定性を高める役割も担っています。


ULA Equipment|ショルダーストラップ下部の取り付けディテール
ショルダーストラップの下部はバックパック下部の前方側に縫い付けられている。これにより子どもをおんぶする際にしっかりお尻を持って支えるような効果が生まれる。



そして、荷重がパック上部に集まりやすいよう配慮されたフォルムも ULA の特徴のひとつ。下から上に向かって広がる独自のシェイプによって荷重が自然と上にまとまり、上部の揺れを前への推進力に変えやすくなります。

NEXUS などの新たなラインではフォルムは刷新されていますが、荷重のかかり方に対するこうした考え方は、これまでどおり引き継がれているとのことです。


ULA Equipment|下部が細くなるバックパックのボトム形状のディテール
下部が細くなるボトム形状は、荷重に対する ULA の考え方を象徴するディテールである。フォルムが刷新されたモデルでも、その思想は変わっていない。



フィッティング

そして ULA の高い快適さを示す上で欠かせないのが、多くの体型に配慮したフィッティングへのこだわりです。

これは公式ストアの商品購入プロセスを見れば明らかですが、ULA では、インラインの商品購入ページにおいて、ショルダーストラップの形状まで選択できる仕様になっています。
背面長やヒップベルトのサイズを選べるメーカーは珍しくありませんが、ショルダーストラップの形状まで選択できるメーカーは、ULメーカーに限らずアウトドアブランド全体を見ても、決して多くありません。

こうしたことからも、できるだけ多くの人に快適に背負ってほしいという、ULA のものづくりに対する姿勢がうかがえます。



ULA Equipment|S字型とハイブリッド型ショルダーストラップの比較ディテール
現在 ULAでは、体のカーブに沿いやすいS字型、比較的フラットな体型に合うJ字型、そしてその中間に位置する、より汎用性の高いハイブリッド型の3種類のショルダーストラップが用意されているが、トルソーサイズに応じて長さの異なる3段階のショルダーストラップが設定されている点にも、フィッティングに対するこだわりが感じられる。



ロングトレイルの過酷な環境にも耐える丈夫さ

ULA が、快適さと同じくらい重視しているのが「丈夫さ」です。
いかに軽く、いかに快適なバックパックであっても、スルーハイクの途中で破損してしまうようでは、ハイカーからの信頼を得ることはできません。状況によっては、それが安全性に直結することもあります。

こうした考え方は、ULA の素材選びにも表れています。
多くのメーカーがテキスタイルメーカーの既存素材を使用する中で、ULA は自社素材である 「ULA ROBIC」 を開発しました。この素材は、開発当時において重量比で非常に高い強度を持ち、ULA が ULハイクシーンに深く根付くきっかけのひとつとなりました。

さらに現在では、ほぼすべてのモデルにおいて、一般的な DCF よりも高い耐久性を持つ  ULTRA素材 を選択することができます。ここにも、単に軽さを追い求めるのではなく、長く使い続けられる丈夫さを重視する ULA の開発思想がはっきりと表れています。



ULA Equipment|バックパック内面に取り付けられたフォームパッドのディテール
ULTRA 素材は DCF と同様の軽さと防水性を持ちながら、DCF の弱点であった耐摩耗性を大幅に改善し、より高い引き裂き強度を備えた革新的ファブリックである。



軽さとのバランスに優れた設計

そして最も ULA らしい点が、これまで述べてきた「快適さ」と「丈夫さ」を高い次元で両立させながらも、ULバックパックとして十分に軽量であるという、その絶妙なバランスにあります。

決して派手さのあるアプローチではありませんが、数えきれないほど多くのロングトレイル・ハイカーの実体験が、このブランドを長年にわたって支持し、現在の評価と規模へと押し上げてきたことこそが、その製品の確かさを物語っています。



ULA Equipment|ULA ROBIC 素材のファブリックディテール
「快適さ・丈夫さ・軽さ」に優れたバックパックは ROBIC の開発なくしては実現しなかったと言っても過言ではない。ULA のアイコンとも言える素材だ。




ユーザー視点のものづくり

ULA の製品は、派手なスペックや数値を前面に押し出すような、マーケティングありきのモノづくりとは一線を画し、その姿勢は、細かなディテールにも表れています。

例えばバックパックの持ち手ひとつを取ってみても、長期使用の中で「壊れやすい」「握りにくい」といった声があれば、より持ちやすく、より丈夫な形状へと見直されてきました。

大きなモデルチェンジではなく、実際の使用から得られたフィードバックをもとに、地道に改良を重ねていく。それが ULA の基本的なスタンスです。
こうしたユーザーファーストのものづくりは、短期間で注目を集めるような派手さこそありませんが、ロングトレイルという過酷な環境で使われ続ける中で、確かな信頼を積み重ねてきました。

結果として ULA のバックパックは、「最新」や「最軽量」をうたう製品ではなくても、実際に歩き続けるハイカーから選ばれ続ける道具として、長い時間をかけて評価されてきたのです。



ULA Equipment|Circuit SV(パープル)バックパックの全体像
ロングトレイルを歩くハイカーたちが選ぶ賞を、複数年にわたって受賞してきた。その事実が、ULA バックパックの魅力を物語っている。



ULA のバックパックはこんな方におすすめ

ULA のバックパックは、業界最軽量や新素材といった分かりやすいスペックを最優先に求める方というよりも、ウルトラライトとしての軽さはしっかり備えつつ、長時間背負っても疲れにくい快適な背負い心地や、長く使い続けられる丈夫さも大切にしたい方におすすめしたいパックです。

登山向けのバックパックだけでなく、日常やトラベル用途でも使いやすい軽量なモデルも揃っているため、ここからは TARCIT で取り扱いのあるモデルを中心に、それぞれの特徴を簡単にご紹介していきます。


Line up


登山向けモデル

ULA のハイク向けバックパックには、UL の原点とも言える背負い心地を体感できるフレームレスモデルと、軽量性を保ちながらも優れた荷重分散によって、より重い荷物を快適に背負えるフレーム入りモデルがあります。どちらもロングトレイルでの使用を想定して作られており、軽さ・丈夫さ・快適さを高い水準で実現しています。

それぞれのモデルで重視しているバランスは異なりますので、ご自身のハイクスタイルに合わせて選んでみてください。


Circuit|68L|Framed

Circuit は、軽さ・丈夫さ・快適さのバランスを高い次元で実現した、ULAを象徴するモデルです。USの3大ロングトレイルのひとつ「PCT」において、最も多くのハイカーに背負われたバックパックとして6年連続1位(2026年現在)に輝くなど、数々のメディアやギアレビューで高く評価されてきた名品です。

68Lという容量は、初めて装備の軽量化に移行するタイミングから、1泊の山行〜10日程度のロングトリップまで幅広く対応。さらに、夏山・冬山といったシーズンを問わず使用できる高い汎用性を備えています。

👉 Circuit 誕生に至る系譜とULAのブランドストーリーについて詳しく見る

最大積載量:16kg
メイン室容量:47.5L
重量:1,091g(Green Ultra 400X)

 


Circuit SV|48L|Framed

Circuit SV は、ULA の中でも特に高い支持を集める Circuit をベースに、現代のハイクスタイルに合わせて容量を最適化したモデルです。Circuit の強みである快適な背負い心地はそのままに、小型かつ高性能なギアの普及によって装備全体をコンパクトにまとめやすくなった現在のトレンドに合わせて、より軽快に使いやすいサイズ感へと再設計されています。

従来の ULA らしさを残しながらも、より軽さを重視した、これからの時代のスタンダードといえる存在です。

👉 Circuit SV についてもっと詳しく知りたい方はこちらの記事を参考にしてください



最大積載量:16kg
メイン室容量:37L
重量:1063g(Robic)/ 1015g(Ultra)

👉「ULA Equipment Circuit SV」商品ページへ



Nexus|40L|Frameless

Nexus は、2025年に約10年ぶりの新設計モデルとして登場したフレームレスパックです。
荷物を“運ぶ”だけでなく、“扱いやすさ”まで含めて快適さを考えるという、新しいアプローチが取り入れられており、ULA における次世代フレームレスの基準ともいえる存在です。

CDT など従来のラインナップと比べると、より軽さに比重を置いたバランスになっており、現代の多様なハイクスタイルに柔軟に対応できる汎用性の高さが魅力です。

👉 Nexus についてもっと詳しく知りたい方はこちらの記事を参考にしてください



最大積載量:11kg
メイン室容量:32L
重量:632g

👉「ULA Equipment Nexus」商品ページへ



Day & Travel モデル

ULA の日常・旅行向けモデルも、軽さ・丈夫さ・快適さの3つのバランスを大切にしながら設計されています。日常使いや旅行はもちろん、日帰りやミニマムな1泊ハイクにも対応しやすい機能を備えており、すべてのモデルにラップトップスリーブを備えるなど、汎用性の高い軽量バックパックに仕上がっています。

Dragonfly|ワンバッグトラベル

ULA のライフスタイルカテゴリーを象徴する存在が Dragonfly です。
バックパックひとつで旅をする「ワンバッグトラベル」を想定して設計されており、航空機の前席シート下にも収まりやすいサイズ感によって、自宅から旅先までシームレスに移動しやすいのが特徴です。

また、開閉しやすいフロントローディング仕様を採用しているため荷造りがしやすく、旅先では椅子やベッドの上に置いて、簡易的なクローゼットのように使うこともできます。

👉 Dragonfly についてもっと詳しく知りたい方はこちらの記事を参考にしてください



最大積載量:11kg
サイズ展開:30L / 36L
重量:745-879g




容量は 30L と 36L の2サイズ展開で、30L はよりミニマムな旅を好む方におすすめです。
一方で、30L では少し不安という方には 36L が適しており、17インチのノート PC も収納しやすく、カメラバッグとして使いやすいサイズ感でもあるため、写真や動画機材を持ち運ぶクリエイターにもおすすめです。

👉「ULA Equipment Dragonfly 36L」商品ページへ



Pacrat|EDC

Pacrat(パックラット)は、EDC(Everyday Carry)を意識して作られた、いわばデイパック的な立ち位置のモデルです。

17Lという一般的なデイパックと同等のサイズですが、使い手の想像力次第で、1泊のミニマムな山行に対応したり、トートバッグのような使い方もできるという、UL的な余白が残されています。本国では「バケツ」の愛称でも知られる、とても愛嬌のあるバックパックです。

最大積載量:11kg
容量:17L(最大25.5L)
重量:400-465g

👉 Pacrat についてもっと詳しく知りたい方はこちらの記事を参考にしてください

TARCIT では、軽さを重視したい方、使い勝手を重視したい方など、それぞれのこだわりに合わせて 3つの素材から選べるようにしています。



400 ROBIC ナイロン:465g
ULA の定番として長く採用されてきた信頼性の高い素材。格子状のリップストップ構造によって引き裂き強度と耐摩耗性に優れ、DWR 加工と3層 PUコーティングによりしっかりした耐水性能も備えています。カジュアルなファッションにも合わせやすい、UL黎明期を彷彿とさせるクラシックな質感が魅力です。

👉「ULA Equipment Robic Packrat 」商品ページへ



X-Pac VX21モデル:440g
しっかりとしたハリのある手触りと、型崩れしにくい高い安定感が特徴です。荷物を入れていない状態でも自立しやすく、裏地が明るいため内部の視認性に優れ、整理がしやすいのも魅力です。街使いやトラベル用途にも相性の良い素材です。

👉「ULA Equipment X-Pac Packrat」商品ページへ



Ultra 200X:400g
軽量でありながら、耐摩耗性・引裂強度・防水性に優れた次世代素材。他の素材に比べて最大約60g程度軽量に仕上がっており、軽さとタフさを両立。ウルトラライトカテゴリーに属しながらも、快適さ・丈夫さにこだわったULAの開発思想が最も体現できるモデルとも言えるでしょう。

👉「ULA Equipment Ultra Packrat」商品ページへ



いかがでしたでしょうか。
ULA のバックパックは、UL ギアでありながら、それを忘れてしまうかのような快適な背負い心地と、長く使い続けられる丈夫さを兼ね備えているのが大きな魅力です。

日本ではまだその背景や思想まで語られる機会は多くありませんが、ULA Equipment はロングトレイルを実際に歩き続けるハイカーたちに、長年選ばれ続けてきたブランドです。
数字やスペックだけでは伝わりきらない魅力を、ぜひ実際に体感してみてください。


👉  ULA Equipment 全アイテム一覧はこちら


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