ULA Equipment Nexus の2モデルを並べた画像

ULA Equipment Nexus レビュー|ULAの次世代フレームレスパックを徹底解説 

ウルトラライト黎明期とも言われる2000年代初頭から、ロングトレイルを歩くハイカーのためにバックパックを作り続けてきた ULA Equipment(ULA)。創業当初から変わらない 「実直なものづくり」と、「古き良きUL文化を感じさせる製品」は、ULハイカーだけでなく、幅広いハイカーや旅行者から支持されてきました。

そんな ULA が約10年ぶりに完全新設計で投入したフレームレスパックが「Nexus(ネクサス)」。従来のクラシックな雰囲気とは異なる新しいデザインが目を引きますが、「いったい何が新しいの?」「他のモデルとどう違うの?」と疑問に思っている方も多いのではないでしょうか。正直、私自身も実際に手に取って使ってみるまでは、その違いを十分に理解できていませんでした。

この記事では、そんな「Nexusが気になるけれど実態が見えにくい」という方へ向けて、Nexusがどんなバックパックなのか、何が新しいのか、どんなハイカーに向いているのかを、ULAのオーナーへのインタビューから得た知識や海外のレビューから分かった情報をふまえて解説していきます。ULA好きの方はもちろん、軽量フレームレスパックを探している方にも役立つ内容ですので、ぜひ最後までご覧ください。

ULAの哲学とバックパックの特徴

Nexus は同社の中では新設計のモデルですが、実は市場全体で見れば特別派手な革新性があるわけではありません。しかし ULA の魅力や哲学を理解していると、Nexus がこれまで同社が築いてきたフレームレスパックの系譜を受け継ぎながら、現代の多様なハイクスタイルに合わせて再構築された “ULA における次世代的フレームレスパック” であることがわかります。

そんな ULA の哲学を象徴しているのが、「COMFORTABLE, DURABLE & ULTRALIGHT BACKPACKING EQUIPMENT SEWN IN THE USA」というフレーズです。この言葉が示すように、ULA が大切にしているのは“軽さだけ”ではなく、快適さ・耐久性・軽さのバランスを高い水準で両立させること。こうした設計思想が、創業当初から現在に至るまで一貫して受け継がれ、ロングトレイルを歩く多くのハイカーに強く支持されてきた理由でもあります。


ULA Equipment Nexus 刺繍ロゴディテール画像
ULA の魅力はスペックだけでは語れない。数えきれない多くのロングトレイル・ハイカーの実体験が、このブランドを今の規模へ押し上げてきた事実がその証拠である。


より多くの人に快適に背負ってほしいバックパック

ULA がいかに「快適さ」を重要視しているかは、商品購入のプロセスを見れば明らかです。公式オンラインストアでは背面長やヒップベルトのサイズを選べるのはもちろん、ショルダーストラップの形まで選択できる仕様になっています。

Nexus の競合となりうるサイズ帯・フレームレスカテゴリのアイテムを展開しているGossamerや Durston、MLD、HMG を見ても、ショルダーストラップの形状を選べるメーカーはありません。「より多くの人にとって最も快適なバックパックでありたい」という、ULA の思想がはっきりと表れている部分だと言えるでしょう。


ULA Equipment のS型とハイブリッド型ストラップの比較画像
体型に合わせた形状のショルダーストラップを “インライン” で選べるメーカーは、ほぼ ULA のみと言っても過言ではない。(左:S型ストラップ / 右:ハイブリッド型ストラップ)


荷をしっかりと固定し、背中に吸い付くような背負い心地を与える荷重分散システム

他社のバックパックに比べて、ULA がより高い「快適さ」を実現している要因として、荷重の分散システムが挙げられます。ご存じのとおりバックパックは肩で背負うため、荷重はまず肩にかかります。それを分散し、さらに荷物の揺れを防ぐ役割を果たすのがヒップベルトです。フレームレスパックの場合、ヒップベルトが付いていなかったり荷揺れを軽減する簡易的なものが多い中、ULA のパックはスタビライザー付きのしっかりとしたヒップベルトを標準装備しています。(Nexusにスタビライザーは非採用)

また、最も荷重がかかるショルダー ストラップはバックパックの背面側に縫い付けられることが多いですが、ULA はあえて前面側に縫い付けています。この構造により揺れが大きく軽減され、バックパックが背中に吸い付くような背負心地が生まれます。

こうしたシステムこそが、ULA が長年評価され続けてきた「ロングハイク向けの、重さが消えるような背負い心地」の所以でもあります。例えるなら、子どもをおんぶする際にしっかりお尻を支え、さらに紐で背中にぴったり引き寄せたときのような感覚でしょうか。


ULA Equipment Nexus ボディー前面につながるショルダーストラップのディテール画像
パック前面へと伸びるショルダーストラップの調整ベルトは、ULA を象徴するディテールのひとつ。荷重を体に引き寄せ、歩行時の安定性を高める役割も担っている。


激しい環境にも耐えうる丈夫さと軽さの両立

PCT や CDT などのロングトレイルを歩く多くのハイカーにとって、バックパックに求められるのは、長期間の激しい環境でも壊れずにルートを走破できる「信頼性の高さ」です。

Nexus が発売された当初、海外のフォーラムでも話題になることが多く、そこで多くのハイカーたちが言及していたのが「丈夫さ」でした。これは ULA が誕生から現在に至るまで、実際に無数のハイカーたちに使われ、高い信頼を築いてきた証拠でもあります。また、多くのメディアやハイカーたちの口コミによる賞の受賞歴や評価を受けていることも付け加えておきます。


ULA Equipment Nexus 内面に取り付けられたフォームパッドのディテール画像
ほぼ全てのモデルで、一般的な DCF よりも高い耐久性を持つ ULTRA 素材を選択できる。ここにも、軽さだけでなく“丈夫さ”を重視する ULA の開発思想が表れている。


ULAの哲学を現代的にアップデートしたモデル「Nexus」


「荷をどう運ぶか」から、「荷をどう扱うか」へ

ULA のバックパックの本質は、「快適さ・丈夫さ・軽さ」という 3 つの要素を核として進化してきました。それは常に “荷をどう運ぶか” というユーザー視点から考え抜かれ、「より快適に荷物を運べる軽量なバックパック」を生み出し続けてきた歴史でもあります。

UL 黎明期からロングトレイルという過酷な環境で選ばれ続けてきたのは、この 3 つの要素を徹底的に追求してきたブランドだからこそ。こうした ULA らしい哲学は、創業当初のガレージ時代の P シリーズから現在のモデルに至るまでブレることなく受け継がれ、多くのハイカーの実体験によって蓄積されてきた“信頼”そのものです。

そして今回の Nexus は、ULA が積み重ねてきた ”荷をどう運ぶか” という信頼をベースにしながら、現代の多様なハイクスタイルに合わせて ”荷をどう扱うか” という、また別の角度からの「快適さ」に初めて着目したモデルです。



ULA Equipment Nexus 正面製品画像(ULTRA 200X)
Nexus もまた、ULハイカー向けウェブメディアで “New Gear” カテゴリにも取り上げられ、ベストギアとしても選出されている。


整理性に優れた大容量の外部収納

Nexus の見た目で分かる特徴的な新要素のひとつとして、フロントの大型メッシュポケットからつながるように配置された上部のサイドメッシュポケットがあります。これは非常に珍しい仕様で、これにより外部収納の整理性がぐんと上がります。大きなメッシュポケットだと埋もれがちなヘッドライトやペグなどの小物類、濡れたレインウェアなどを分けて収納できるのがメリットです。

さらに Nexusは、ULA のラインナップ中で最も大きな外部収納を備えているため(バックパックの容量に対する比率)、多くのギアを外側に収納することができます。そのため、行動中に必要な荷物を素早く、ほとんどストレスなく取り出すことが可能です。

また、オプションでボトム部分にメッシュポケットを追加できるなど、行動中のストレスを軽減するという ULA の快適性への新しい答えがここにも垣間見えます。


ULA Equipment Nexus フロントメッシュポケット上部のディテール画像
横面にかけてパックを一周するように配置されたウルトラストレッチ素材のメッシュポケットは、用途や濡れ具合に応じてギアを分けて収納できる、Nexusを象徴するディテールだ。


フォルムの刷新

この部分については日本ではほとんど言及されていませんが、見た目でもわかるように、Nexus のフォルムは大きく刷新されています。ボトムが平らになり、横幅もこれまでより広がったことで、より“長方形に近い”シルエットになりました。その結果、地面に置いた際の安定性が増し、パッキングのしやすさも向上しています。

従来の ULA パックは、下から上に向かって広がるような独自のシェイプで、荷重が自然と上に寄る構造でした。しかし Nexus では、“どう運ぶか” だけでなく “どう使うか” にも注目し、より扱いやすさと快適性を重視した次世代型のアプローチが取り入れられています。

とはいえ、これまで ULA の強みであった荷重バランスを軽視したわけではなく、何度も試行錯誤を重ねた上でたどり着いたのが現在のフォルムとのこと。扱いやすさと背負いやすさの両立を図った、ULA らしい進化と言えます。



ULA Equipment Nexus ボトム部分のディテール画像
ULA Equipment Circuit SV ボトム部分のディテール画像
細くなるボトムはULAのバックパック特徴のひとつでもあったが、Nexusでは平らになり、自立性を高めた。


新設計のショルダーストラップとヒップベルト

外部収納やフォルム刷新によって “荷をどう扱うか” という新しい快適さを取り入れた Nexus ですが、背負い心地に関わる部分にも現代的な最適化が施されています。

ただしここで強調したいのは、「背負い心地が劇的に変わった」という意味ではないということ。むしろ Nexus は、従来の ULA が大切にしてきた快適性を損なわないよう慎重に配慮しつつ、より多様な体型・より軽量なハイクスタイルに対応できるような選択肢が拡張されたモデル だと言えます。


ハイブリッド型ショルダーストラップ

ULA のショルダーストラップはこれまで、身体のカーブに沿いやすい S 型 と、フラットな肩の人に合う J 型 の2種類が中心でした。Nexus のリリースに合わせて、この2つの中間的なカーブを持つ “ハイブリッド型” が新たに追加され、より多くの体型にフィットする汎用性の高いシェイプとしてラインナップが拡張されています。
 
これは単に “S と J の真ん中” を作ったわけではなく、S でも J でもしっくり来なかった層も含め、現代の多様なハイカーに対応するためのフィット領域を広げた という位置づけ。 まさに Nexus の開発コンセプトである “Next(次世代)のフィット” を象徴する要素です。

ストラップ下部がパック前面にしっかり取り付けられる ULA 特有の構造はそのまま残されており、荷を下から引き寄せる安定した背負い心地は従来どおり健在です。


ULA Equipment Nexus 背面製品画像ULA Equipment のS型とハイブリッド型ストラップのディテール比較画像
ハイブリッド型は、以前のストラップよりもパーツが少なく、表面のクッション性も省かれた軽量寄りの仕上がりという印象だ。(フレームレスパックにはロードリフターは非搭載 / 画像左はフレーム入りモデル)


ヒップベルト

Nexus のヒップベルトは、軽量化と扱いやすさを重視したシンプルな構造に変更されています。片手で素早くアクセスできるよう、ポケットのジッパー角度や取り付け位置も調整されています。

軽量化のため縫い付け式(固定式)となり、取り外しや上下調整はできませんが、フレームレスパックとしては十分な幅と厚みが確保されており、シンプルながら一定のサポート性を持つ作りになっています。ヒップベルトポケットは小型化され、容量としては大型スマートフォン(iPhone Max クラス)が収まる程度のサイズです。


ULA Equipment 新設計ヒップベルトポケットと従来仕様の比較ディテール画
ULA Equipment 新設計ヒップベルトと従来仕様のパッド比較ディテール画像
クッション性のあるパッドとスタビライザーが省かれ、ポケットは小型化。さらにジッパーは縦開きから横開きへ変更され、片手でも開閉しやすい仕様になっている。ULA のヒップベルトとしては、よりミニマルな構成と言える。



まとめ:Nexusはどんなバックパック?


荷を“運ぶ”だけでなく、“扱う”までを快適にする ULA の新基準フレームレスパック

Nexus を一言で表すなら、まさにこの表現が最も近いでしょう。市場全体で見ると Nexus は派手な革新を打ち出したモデルではありません。しかし、ULA が大切にしてきた「快適さ」という軸をそのままに、現代のハイカーが使いやすいよう細部を丁寧に見直し、荷物を“快適に運ぶ”だけでなく、“快適に使える”ことまで意識して設計されたモデルです。

これまで ULA が積み重ねてきたフレームレスパックの系譜と、これからの新しい方向性(Next)が交わる。Nexus は、まさに その“交点”に位置するパック だと言えるでしょう。

 

Nexus はこんな方におすすめ

以上いかがでしたでしょうか。
Nexus は ULA が好きな方はもちろん、フレームレスという UL パックの原点を感じながらも、背負い心地や使いやすさを大切にしたい方にぜひ使っていただきたいパックです。

一見すると細部にこだわった尖ったモデルにも見えますが、ULA のフレームレスラインナップの中では実は最も汎用性が高く、幅広いハイクスタイルに自然と馴染む懐の深さがあります。

これから初めて ULA のフレームレスを選ぶ方にも、従来モデルから乗り換える方にも、自信を持っておすすめできるバランス型のモデルです。ぜひ Nexus の世界を体感してみてください。 

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ULA Equipment Nexus UltraGrid と ULTRA 200X の正面デザイン比較画像
重量:632g
最大積載量:約11.3kg
外部ポケット:5(ヒップベルト含まず)
ハイドレーション対応:なし
容量:合計 約40L


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