High Tail Designs TX50 Stuff Sacksレビュー|DCFモデルとの違いとサイズの選び方を徹底解説
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USのガレージメーカーとして、ウルトラライトでありながら鮮やかで繊細なプリントを施したULギアを展開する High Tail Designs(HTD)。DCF素材のファニーパックがブランドの代名詞的存在ですが、軽量で個性的なスタッフサックも、感度の高いULハイカーを中心に支持されているアイテムです。
そんなHTDのスタッフサックに、新たに加わったのが「TX50 Stuff Sacks」というシリーズ。単に素材やフォルムが変わっただけでなく、これまでのRoll Top Stuff Sack(DCFモデル)との関係性を含めて、スタッフサック全体の選び方に影響を与える存在となっています。
本記事では、TX50 Stuff SacksとDCF製Roll Top Stuff Sackの違いを軸に、スタッフサックシリーズ全体の構成や役割、サイズ別の使い分けについて解説します。HTDスタッフへのインタビューで得た情報をふまえて、実際の使用シーンをイメージしやすい形でまとめました。
DCFにするかTXにするか迷っている方はもちろん、「TXとはどんな素材なのか」「どのサイズを選べばいいのか」と悩んでいる方にとっても参考になる内容です。ぜひ最後までご覧ください。
TX50 Stuff Sacksでアップデートされたポイント
TX50シリーズのスタッフサックは従来のモデルに比べて大きく分けて2つのポイントがアップデートされています。
新素材「TXシリーズ」の採用
新たなスタッフサックでは「TX50」という素材が使用されています。この素材は、アウトドア・テキスタイルメーカー Challenge Sailcloth社が手掛けるハイエンドULファブリック「Ultra」の開発思想を元に設計された新素材です。
Ultraという素材の大きな特徴は、DCFと同等の軽さと防水性をもちながらも、耐摩耗性に優れているという点がありますが、その構造上、プリント用途には適していませんでした。
その問題を解決するために、Ultraの用途特化素材として開発されたのが「TX」シリーズです。「TX」シリーズは主に小物ギアへの使用を想定し、これまでUltraでは難しかった印刷を可能にしました。Ultraほどではありませんが、DCFに匹敵する高い引き裂き強度と防水性に加え、優れた耐摩耗性を備えたUL素材です。
織り構造による、一般的な生地に近いしなやかな質感も特徴で、この素材を採用することで、高い耐久性に加えて静音性も向上しています。より詳しいTX素材の特性やDCFとの違いについて知りたい方はこちらの記事を参考にしてください。

TXシリーズは、Ultra と並びチャレンジ社を象徴する素材 EcoPak のテクノロジーをもとに開発された新素材です。他の同社素材と同様、バイアス方向に入る補強繊維が特徴的なディテールだ。
ラウンド型からスクエア型へ、パック内での収まりも向上
従来モデルがクラシックなラウンド型だったのに対して、新しいTX50スタッフサックではスクエア型を採用。高さも短く調整されたことで、パック内に横向きで寝かせて収納しやすくなりました。さらに、全サイズで奥行きが統一され、3サイズそれぞれが関連性を持った寸法設計になっているため、パッキングキューブのような感覚で使えるのも特徴です。
使い勝手が劇的に変わるほどではありませんが、パック内での整理や重量バランスへの配慮はしやすくなっており、わずかですがパック内のデッドスペースも減り、より効率的に収納できるなど、実用面でもしっかりアップデートされています。

DCFのサックの底面はクラシックな丸型ですが、TX50 Stuff Sacksでは新たにスクエア型が採用されています。
用途やスタイルで選べるラインナップへ|選び方の基準
TX50 Stuff Sacksの登場によって、従来のDCFモデルが置き換わるというわけではありません。従来のDCFシリーズは「3.5L / 9L / 13L」というサイズ展開でしたが、TX50シリーズでは「4.5L / 6.5L / 10L」といったサイズが追加され、DCFのサイズレンジの“隙間”を埋めるような構成になっています。
つまり、どちらか一方に置き換わるのではなく、用途やパッキングスタイルに応じて選択肢が広がった形です。また、過去にHTDのデザイナーへ行ったインタビューでも、「新素材TXはDCFの代替ではなく、DCFが調達可能な限り従来モデルも継続する」という方針が示されています。
この点からも、TX50スタッフサックはDCFモデルの後継ではなく、あくまでラインナップの拡張として位置づけられていることが分かります。サイズだけでなく、デザインや用途、素材の特性といった観点でも選べる構成になっています。

3.5Lから13Lまでの6つのサイズから選べるようになりました。シュラフの収納用途で選ぶ場合は、購入時に付属しているスタッフサックの容量やサイズを基準にするか、1サイズ大きめを選ぶことをおすすめします。重量は多少増えますが、荷の出し入れのストレスが軽減され、パック内の荷揺れを抑える役割としても有効です。
容量で選ぶ
TXとDCFを合わせて、全6種類のサイズから選ぶことができます。サイズで迷っている方に向けて、それぞれの用途や実際に使い比べた感想をまとめましたので、参考にしてください。
3.5L(DCF)H 25.5 × W 15 × D 11.5 cm|17g
4.5L(TX)H 30.5 × W 11 × D 13 cm|27g
濡らしたくない小物やガジェット類、タープ、シェルター、パフィージャケット、衣類などに適したサイズです。3.5Lは高さが低く、小さなものが取り出しやすいため、ガジェット類など小物の収納に特に適しています。
一方で4.5Lは細長いフォルムのため、グループシェルターやソロテント、ハンモックシステムなどの収納に使いやすい形状です。

3.5L:Enlightened Equipment Torrid Jacket / 4.5L:MSR Front Range
6.5L (TX)H 30.5 × W 15 × D 13 cm|31g
3シーズンシュラフ、パフィーウェア一式(セットアップ+フードなど小物類)などをまとめるのに適しています。
例)EE Revelation 30°F(-1°C)、EE Revelation APEX 50°F(10°C)など
コンプレッションを最大限効かせれば以下のアイテムもコンパクトにまとめることができます。
例)Enlightened Equipment / Revelation 20°F(-6°C)、 Sea to Summit / Spark SP Ⅳ

6.5L : Enlightened Equipment Revelation 30°F(-1°C)
9L(DCF) H 37 × W 18.5 × D 14.5 cm|25g
10L(TX) H 36 × W 21 × D 13 cm|38g
比較的コンパクトな冬用シュラフや3シーズン化繊シュラフ、3シーズンシュラフに加えて就寝時の小物ギアをまとめたい場合や、シュラフとパフィージャケットを一緒に収納したい場合に適したサイズです。また10L(TX)は横幅が広い形状のため、最大3〜4泊程度のフードバッグとしても使いやすくなっています。
例)Enlightened Equipment / Revelation 10°F(-12°C)、Enlightened Equipment / Revelation APEX 40°F / 30°F(5°C / -1°C)

10L : Enlightened Equipment Revelation APEX 40°F(5°C)
13L(DCF)H 44.5 × W 23 × D 16 cm |27g
シュラフとエアマットをまとめたい場合や、シュラフ2枚、厳冬期向けの嵩張る装備を収納するのに適したサイズです。余裕を持って収納したい場合にも扱いやすい容量です。重量が27gと軽量なため、迷ったらこのサイズにしておくというのも一つの選択肢でしょう。
例)Enlightened Equipment / Revelation 30°F(-1°C)+ APEX 50°F(10°C)
使い勝手で選ぶ
使い勝手を優先する場合は、パッキングのしやすさや耐久性、静音性に優れたTX素材を選ぶのが良いでしょう。また、10Lサイズは横幅が広く設計されているため、フードバッグとしても使いやすい形状になっています。

TX50シリーズはパック内で横にも並べやすいようにサイズ設計されているため、荷重のバランスをコントロールしやすく、パッキングキューブのようにも使えます。旅行でも使いやすいのが特徴です。
デザインや素材の好みで選ぶ
ある程度の容量のチョイスが決まっている場合は、プリントデザインや素材の好みで選ぶのが良いでしょう。
DCFの持つ独特な素材感は、柔らかな雰囲気のプリントと相まっていかにもULらしい存在感を放つ一方で、シワになりやすいという特性があるため、使い込むほどに”くしゃくしゃにした紙”のようにエイジングしていきます。
一方でTXは、グリッド状の補強繊維が視覚的なテクスチャーとなっており、アウトドアらしい素材感が特徴です。シワになりにくく、一般的なナイロン生地同様にエイジングしていきます。また耐久性にも優れているので、より長く使いやすい素材とも言えるでしょう。

重量で選ぶ
ULギアである以上、軽さも重要です。サイズで迷った場合は、軽さを重視するのであればDCFを選ぶのが良いでしょう。どちらの素材も十分に軽量で、ファニーパックではほぼ重量差はありませんが、スタッフサックに関してはDCFに軍配が上がります。
DCF:3.5L|17g 9L|25g 13L|27g
TX50:4.5L|27g 6.5L|31g 10L|38g

DCF特有のシワは使い込むほどに増えていき、原状回復しづらい素材のため、厚みによって凹凸もできますが、それがULらしい味とも言えます。(画像は他社の製品)
ラインナップ
TX50 Stuff Sacks - Hannah Beimborn
コロラドを拠点に水彩とペンで表現するアーティスト Hannah Beimborn のアートを落とし込んだ、TX50採用のロールトップ式スタッフサックです。サイズによって展開するプリントがすべて異なるため、アートで荷物を見分けるという楽しみ方ができるのもHTDらしいポイントです。

TARCITで取り扱う一部の製品では、プリントの色味や仕上がりについてメーカーと相談しながら制作を進めています。TX50という新しい素材を使用するにあたり、本シリーズでは特に水彩絵の具の風合いの再現性にこだわり、細かな調整を重ねながら仕上げました。
👉 Small サイズ(4.5L)を見る
👉 Mediumサイズ(6.5L)を見る
👉 Large サイズ(10L)を見る
Roll-Top Stuff Sack – Ash Ryan
フィラデルフィアを拠点に活動するストリートアーティスト Ash Ryan のアートを落とし込んだ DCF製ロールトップ式スタッフサック。

アーティストシリーズのスタッフサックはトレイルで映えるデザインなので、パックに外付けして目立たせるなど、使い方を考えるのも楽しさのひとつ。
👉「Roll-Top Stuff Sack – Ash Ryan 」商品ページへ
以上いかがでしたでしょうか。
HTDのロールトップ式スタッフサックはTX素材の追加によって、色やデザインだけでなく、素材・豊富なサイズ、使い方など他のブランドにない「選び手のこだわり」によって選ぶことのできるサックです。
山だけでなく、日常のジム通いや旅行などのシーンにも使えるアイテムですので「持っているだけで楽しくなる」そんな愛着の持てるアイテムを探してみてください。
ぜひ High Tail Designs の世界を楽しんでください。