ULレインスカート3社比較レビュー|ULA・Zpacks・Enlightened Equipment(Made in USA)
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近年、アウトドアアイテムの軽量化は UL(ウルトラライト)を強く意識していない方にまで広がり、「どうせ買うなら軽い方が楽」という自然な感覚が定着してきたように思います。大手のメーカーも軽さを重視したモデルを積極的に展開するようになり、これまでニッチな存在だったUL特有のアイテムが一般的な選択肢へと変化しています。
その代表例のひとつが レインスカート。
現在では国内メーカーから個人製作品まで多くの選択肢がありますが、どうせ使うなら本場の「アメリカ物」という方に向けて、TARCITで取り扱っている
ULA Equipment・Zpacks・Enlightened Equipment
いわば Made in USA のULレインスカートを代表する3ブランドのアイテムを、軽さ・使いやすさなどの観点から比較していきます。すでにどれを買うか迷っている方はもちろん「最近レインスカートが気になってきた」という方にも参考になれば嬉しいです。
なお、「比較よりも、それぞれの特徴だけ知りたい!」
という方は、下のテーブルリンクの総評から各ブランドの解説へ直接飛んでいただけます。
重量
◎ Enlightened Equipment Rain Wrap
重量:50g(Regular)
メーカー公称値(51g)
◎ Zpacks DCF Rain Kilt
重量:50g(Regular)
メーカー公称値(52g)
◯ ULA Equipment Rain Kilt
重量:65g(*55g)
メーカー公称値(80g)
UL好きなら、まず気になるのはやっぱり「重量」ですよね。メーカーの公称値を見ると ULA が圧倒的に重く見えますが、実際はまったく違います。というのも、ULA は告知なしに仕様変更が結構あり、以前はパッカブルポケットにブランドネームのタグが付いていたりしていましたので、古いロットの重量がそのままデータとして使われているんだと思います。
実際に現行品を計測すると 65g。なんと公称値より15gも軽い。さらに、2024年冬あたりから素材が薄く柔らかいものに変わり、この新素材だと55g と、そこからさらに10g軽くなっています。ただし、色によって重量が異なるので注意が必要です。
TARCITで取り扱っているカラーの場合は以下のとおり。
新素材(55g):ブラック・ダークブルー・ブラウン
旧素材(65g):オレンジ・グレー
そのため、選ぶカラーによっては ULA が少し不利に見えることもありますが、他の2社(EE / Zpacks)はもともと1色展開なので、ULA の新素材カラーを選ぶなら実質どれも同じような軽さです。なので「1gでも軽くしたい」という超UL志向の方でなければ、どれを選んでも問題なし(※ULAの一部の色は除く)。

新旧どちらの生地もリップストップ地だが、新しい素材はより目が細かく、柔らかな肌触りで履き心地も向上している。個人的には旧素材の張りのある感じが好み。
使いやすさ
使いやすさについては「何を重視するか?」によって人それぞれ変わってくると思いますので実際に使用してみて気づいたカテゴリをまとめてみました。
装着・収納しやすさ
◎ ULA Equipment Rain Kilt:パッカブル/マジックテープ留め
◯ Enlightened Equipment Rain Wrap:パッカブル/ボタン留め
△ Zpacks DCF Rain Kilt:非パッカブル/ジップ留め
レインスカートの場合はあまり行動を止めずに装着したり収納したりしたいですよね。この点についてはULAが頭一つ抜けてるんじゃないかなと思います。マジックテープで留める仕様なので表裏がわかりやすく、なんとなくマジックテープ同士を触ればくっつきます。またウエストは太めのゴムが入っていて、調整はできませんが巻き付けるだけでウエストに合うようになっているので装着時にほとんどストレスがありません。
EEとZpacksについてはボタンとジッパーでスカートを留めるように出来ているので、やはり装着時にちょっとだけ集中する必要があります。ウエストはコードで調整する仕組みなので細かな調整が可能なのですが、一番広がった状態になっていると自身のウエストに合わせるまでに多少もたつきます。
収納については、くしゃくしゃにして収納できるパッカブルが楽ですね。パッカブル時はスカート使用時の裏面が表に来るので、比較的ドライな状態でバックパックなどにしまうことができます。Zpacksは素材がDCFなので、このような取り回しの良さを求めると不利になってしまいますが、DCFには圧倒的な防水性など違った魅力がありますよね。

ULAのレインスカートは楽ちんなゴム仕様。体に巻き付けてマジックテープで止めるだけでウエストに合う。
機能性
◎ Zpacks DCF Rain Kilt
◯ Enlightened Equipment Rain Wrap
△ ULA Equipment Rain Kilt
防水性やウエストの細かな調節、可動域の調整などレインスカートに求められる機能性としては やっぱりZpacksが一番。DCFの防水性の高さは言うまでもなく、足の可動域を細かく調整できる防水ジップが優秀です。EE は生地がかぶるようにボタンで留めるので雨が侵入しづらい作りになっていて、ボタンを外すことで可動域や換気の調節ができます。一方で ULA のマジックテープは、軽く触れただけで留まるほど装着が楽というメリットがある反面、テープを外しても歩行中に再び貼り付いてしまうことがあり、可動域が急に狭くなる場合があるので注意が必要です。ですが ULA の場合はスカートのウエスト部分をくるくると巻いて短くすることで足の可動域を調整するといった、割り切った解決策があります。

Zpacks のレインスカートは、防水ジッパーの開閉によって足の可動域や換気を細かく調節できる仕様。

EE のレインスカートは、可動域を調整できるポイントが2箇所ある一方で、生地が重なる構造になっているため、ボタンを外しても隙間から雨が侵入しづらいのが特徴。

ULA のマジックテープ仕様は装着がかなり楽な反面、歩行中に勝手に貼り付いてしまう場合があり、可動域の調節にはあまり向いていない。
汎用性
◎ Zpacks DCF Rain Kilt
◯ Enlightened Equipment Rain Wrap
△ ULA Equipment Rain Kilt
ULギアなら多用途で使えるというのも大きな選択肢のひとつですよね。そこはやはり機能性でも評価の高いZpacksに軍配が上がります。EEとともにタイアウトループが備わっているので、ペグで固定してグラウンドシートや荷物の雨よけとしても使えるのですが、やはりDCFの防水性と離水性は別格で、特に床としての安心感が違います。またDCFの遮熱性の高さを利用して寒い時に履けば腰回りの保温にも役立つのも嬉しいポイントです。(逆に気温が高い状況では蒸れやすい)

EEとZpacksのレインスカートは数箇所に設けられたタイアウトループを使ってグランドシートにしたり、荷物やテントの雨除けなどとしても利用できる。
総評
ULA Equipment Rain Kilt:行動力重視型
とにかくレインスカートとしての必要最低限の機能のみあれば良い、装着時や収納時のストレスを少なくして行動を極力止めたくないといった行動力重視型のかたにおすすめです。価格もこの中では一番安くカラーも豊富。
👉 「ULA Equipment Rain Kilt」商品ページへ

Enlightened Equipment Rain Wrap:バランス型
レインスカートだけでなく、グランドシートとしてなど多用途で活用したい方で、履き心地も重視したいかたにおすすめです。同社の寝袋などで使われているような肌触りの良いナイロンがとても心地よいです。
👉「Enlightened Equipment Rain Wrap」商品ページへ

Zpacks DCF Rain Kilt:ハイスペック型
とにかく多用途で機能性の高いレインスカートをお探しの方におすすめです。DCFなので価格はこの3つのなかで一番高価ではありますが、ULギアとしては比較的長くお使いいただけると思います。
👉「Zpacks DCF Rain Kilt」商品ページへ (1月 再入荷予定)

以上、Made in USA のULレインスカート3種の比較レビューでした。
どのアイテムもそれぞれ個性があってとても良いギアだと思いますので、ご自身のスタイルやご予算に応じて最適な一枚を見つけてくださいね。他の種類のレインスカートを取り扱う際には、こちらのブログにてアップデートしていきます。
👉 ULA Equipment 全アイテム一覧はこちら
👉 Enlightened Equipment 全アイテム一覧はこちら
👉 Zpacks 全アイテム一覧はこちら