Zpacks DCF Rain Kilt、Enlightened Equipment Rain Wrap、ULA Equipment Rain Kilt の3つのレインスカートを並べた画像

ULレインスカート3社比較レビュー|ULA・Zpacks・Enlightened Equipment(Made in USA)

近年、アウトドアアイテムの軽量化は UL(ウルトラライト)を強く意識していない方にまで広がり、「どうせ買うなら軽い方が楽」という自然な感覚が定着してきたように思います。大手のメーカーも軽さを重視したモデルを積極的に展開するようになり、これまでニッチな存在だったUL特有のアイテムが一般的な選択肢へと変化しています。


その代表例のひとつが レインスカート。


現在では国内メーカーから個人製作品まで多くの選択肢がありますが、どうせ使うなら本場の「アメリカ物」という方に向けて、TARCITで取り扱っている


ULA Equipment・Zpacks・Enlightened Equipment


いわば Made in USA のULレインスカートを代表する3ブランドのアイテムを、軽さ・使いやすさなどの観点から比較していきます。すでにどれを買うか迷っている方はもちろん「最近レインスカートが気になってきた」という方にも参考になれば嬉しいです。


まずは各アイテムを比較する前に、そもそもレインスカートとは何か? という視点から、使い道や必要性、どんな場面で役立つのかを解説していきます。

「比較や、それぞれのアイテムの特徴だけ知りたい!」という方は、下のテーブルリンクから総評や各ブランドの解説へ直接進んでください。


レインスカートの役割


レインパンツの代替ではない

レインパンツとレインスカートでは、山行における主となる役割が違い、そのほとんどのケースにおいて代替にはなりません。

というのも、レインパンツは雨風に対する高い耐性とともに、状況によっては体温低下を防ぐ保温着としての役割が重視されます。一方でレインスカートは、雨天時の行動における“蒸れ”を軽減させ、快適に行動するのが主な目的です。

スカートという形状のため通気性には優れますが、森林限界を越えるような風の強いエリアでは雨具としての機能を果たしません。


雨天時の行動を快適にするもの

森林限界以下において、保温が必要な状況以外では、行動時にレインパンツは蒸れやすく、雨は凌げても“蒸れ”によって結局濡れてしまうというケースもしばしばあります。何より、不快な状況に陥りやすいです。

そんな状況ではレインスカートが非常に有用です。スカートなので通気性に優れ、防水性は限定的で膝下は基本濡れますが、ボトムがショーツの場合は拭けば乾くので、結果的にレインスカートの方がドライに保てたというケースは珍しくありません。

そして何より、行動しながらでもザックなどから取り出して腰に巻きつけられ、不要になればさっとしまえる手軽さが、行動中のストレスを軽減してくれます。

一般的なレインウェアと比べて使用している生地も少ないので、手のひらに収まるサイズ感が特徴で、ファニーパックなど小さな収納ポケットで出し入れできる手軽さも魅力のひとつだ。一見するとULAが大きく見えるが、コンプレッションの具合が違うだけで、実際の収納サイズは各社でほとんど変わらない。



雨具以外の用途

そして、レインスカートを使うもうひとつの大きな役割が雨具以外での用途です。

布を腰に巻きつけるという構造上、広げてグランドシートや小さなタープにしたり、テント内でダウンシュラフのフット部分を結露の水滴による濡れから防ぐカバーとして使ったり、スルーハイクの場面では、ランドリーでの洗濯時の目隠しにもなります。

こういった汎用性の高さが、様々な環境に対応する必要があるロングトレイルにおいては必要不可欠で、ロングトレイルを歩くハイカーたちに支持される所以でもあります。


次のセクションでは、重量や使いやすさという視点から、それぞれのアイテムの特徴を解説していきます。

皆さんのお持ちのアイテムとの適合性や、何を重視するかなどを踏まえて、レインスカート選びの参考にしてください。

ULA Equipment Rain Kiltを着用し、山傘を差して雨のトレイルを歩く様子 ショートパンツとの相性がよく、雨の中でも下半身をドライに保ちやすいのがレインスカートの魅力。濡れた脚は拭けばすぐに乾くし、多少の雨なら傘とレインスカートの組み合わせだけでも対応できる。テント場でのちょっとした移動にもとても便利です。



重量

◎ Enlightened Equipment Rain Wrap
重量:50g(Regular)
メーカー公称値(51g)


◎ Zpacks DCF Rain Kilt

重量:50g
メーカー公称値(52g)


◯ ULA Equipment Rain Kilt

重量:62g
メーカー公称値(62g)


△ Zpacks Vertice Rain Kilt

重量:72g
メーカー公称値(68g)


ULAやZpacksのVertice Rain Kiltには、取り回しの良さや高い透湿性など、それぞれ異なる魅力がありますが、重量だけで見ればEE / ZpacksのDCFモデルに軍配が上がります。

ULAのレインスカートは2026秋冬シーズンにアップデート。これまでのナイロンからポリエステル素材へ変更することで、強度と耐久性が向上しながら、重量は62gに抑えられています。


使いやすさ

使いやすさについては「何を重視するか?」によって人それぞれ変わってくると思いますので実際に使用してみて気づいたカテゴリをまとめてみました。

※Zpacks Vertice Rain KiltはDCF Rain Kiltと素材のみが異なり、構造や使い勝手は共通しているため、以降はDCF Rain Kiltの評価に含めます。



装着・収納しやすさ

◎ ULA Equipment Rain Kilt:パッカブル/マジックテープ留め
◯ Enlightened Equipment Rain Wrap:パッカブル/ボタン留め
△ Zpacks DCF Rain Kilt:非パッカブル/ジップ留め


レインスカートの場合はあまり行動を止めずに装着したり収納したりしたいですよね。この点についてはULAが頭一つ抜けてるんじゃないかなと思います。

マジックテープで留める仕様なので表裏がわかりやすく、なんとなくマジックテープ同士を触ればくっつきます。またウエストは太めのゴムが入っていて、細かな調整機構はありませんが、巻き付けてマジックテープを留めるだけで幅広いウエストサイズにフィットするので、装着時にほとんどストレスがありません。


EEとZpacksについてはボタンとジッパーでスカートを留めるように出来ているので、やはり装着時にちょっとだけ集中する必要があります。ウエストはコードで調整する仕組みなので細かな調整が可能なのですが、一番広がった状態になっていると自身のウエストに合わせるまでに多少もたつきます。


収納については、くしゃくしゃにして収納できるパッカブルが楽ですね。パッカブル時はスカート使用時の裏面が表に来るので、比較的ドライな状態でバックパックなどにしまうことができます。

Zpacksは素材がDCFなので、このような取り回しの良さを求めると不利になってしまいますが、DCFには圧倒的な防水性など違った魅力がありますよね。


ULA Equipment Rain Kilt のゴム仕様のウエスト部分を写したディテール画像ULAのレインスカートは楽ちんなゴム仕様。体に巻き付けてマジックテープで止めるだけでウエストに合う。


機能性

◎ Zpacks DCF Rain Kilt
◯ Enlightened Equipment Rain Wrap
△ ULA Equipment Rain Kilt


防水性やウエストの細かな調節、可動域の調整などレインスカートに求められる機能性としては やっぱりZpacksが一番。DCFの防水性の高さは言うまでもなく、足の可動域を細かく調整できる防水ジップが優秀です。

EE は生地がかぶるようにボタンで留めるので雨が侵入しづらい作りになっていて、ボタンを外すことで可動域や換気の調節ができます。


一方で ULA のマジックテープは、軽く触れただけで留まるほど装着が楽というメリットがある反面、テープを外しても歩行中に再び貼り付いてしまうことがあり、可動域が急に狭くなる場合があるので注意が必要です。

ですが ULA の場合はスカートのウエスト部分をくるくると巻いて短くすることで足の可動域を調整するといった、割り切った解決策があります。


Zpacks DCF Rain Kilt の防水ジッパー部分を写したディテール画像(可動域や換気を調整できる仕様)Zpacks のレインスカートは、防水ジッパーの開閉によって足の可動域や換気を細かく調節できる仕様。

Enlightened Equipment Rain Wrap のボタン仕様と生地が重なる構造を写した画像(可動域を2箇所で調整できるデザインEE のレインスカートは、可動域を調整できるポイントが2箇所ある一方で、生地が重なる構造になっているため、ボタンを外しても隙間から雨が侵入しづらいのが特徴。


ULA Equipment Rain Kilt のマジックテープ留め構造を写した画像ULA のマジックテープ仕様は装着がかなり楽な反面、歩行中に勝手に貼り付いてしまう場合があり、可動域の調節にはあまり向いていない。その場合は、ウエストをクルクルと巻き上げて着丈を短くすることで解決できる。


汎用性

◎ Zpacks DCF Rain Kilt
◯ Enlightened Equipment Rain Wrap
△ ULA Equipment Rain Kilt


ULギアなら多用途で使えるというのも大きな選択肢のひとつですよね。

そこはやはり機能性でも評価の高いZpacksに軍配が上がります。EEとともにタイアウトループが備わっているので、ペグで固定してグラウンドシートや荷物の雨よけとしても使えるのですが、やはりDCFの防水性と離水性は別格で、特に床としての安心感が違います。

またDCFの遮熱性の高さを利用して寒い時に履けば腰回りの保温にも役立つのも嬉しいポイントです。(逆に気温が高い状況では蒸れやすい)


Enlightened Equipment Rain Wrap を地面に広げ、タイアウトループを使ってグランドシートとして利用できることを示した画像EEとZpacksのレインスカートは数箇所に設けられたタイアウトループを使ってグランドシートにしたり、荷物やテントの雨除けなどとしても利用できる。


総評

ULA Equipment Rain Kilt: 機動力重視型
レインスカートとして必要な機能をシンプルにまとめ、装着時や収納時のストレスを抑えて、行動を極力止めたくない方におすすめです。カラーバリエーションが用意されているほか、2026秋冬シーズンにはSil-Poly素材へアップデートされ、強度と耐久性も向上しています。

👉 「ULA Equipment Rain Kilt」商品ページへ

ULA Equipment Rain Kilt(ブラウン)の着用イメージと、オレンジカラーのレインスカートを平置きで写した製品画像


Enlightened Equipment Rain Wrap:バランス型
レインスカートだけでなく、グランドシートとしてなど多用途で活用したい方で、履き心地も重視したいかたにおすすめです。同社の寝袋などで使われているような肌触りの良いナイロンがとても心地よいです。

👉「Enlightened Equipment Rain Wrap」商品ページへ

Enlightened Equipment Rain Wrap の着用イメージ(グレー)と、製品を平置きした画像のセット


Zpacks DCF Rain Kilt:ハイスペック型
とにかく多用途で機能性の高いレインスカートをお探しの方におすすめです。DCFなので価格はこの3つのなかで一番高価ではありますが、ULギアとしては比較的長くお使いいただけると思います。

👉「Zpacks DCF Rain Kilt」商品ページへ  

Zpacks DCF Rain Kilt(グレー)の着用写真と製品画像


Zpacks Vertice Rain Kilt
: 高機能レインウェア型

DCFモデル同様の高い機能性と汎用性を備えながら、雨具としての快適さを重視する方におすすめです。DCF同等の防水性に加えて高い透湿性を備え、肌側のトリコットライナーにより、汗や雨で濡れた状態でもベタつきやまとわりつきが気になりにくくなっています。

👉「Zpacks Vertice Rain Kilt」商品ページへ  


以上、Made in USA のULレインスカート3社の比較レビューでした。

どのアイテムもそれぞれ個性があってとても良いギアだと思いますので、ご自身のスタイルやご予算に応じて最適な一枚を見つけてくださいね。他の種類のレインスカートを取り扱う際には、こちらのブログにてアップデートしていきます。


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